【配属編】願いドリブンで新卒の成長環境を考え続けている話

by kocchi | November 05, 2020
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こんにちは!CTO室の平子 ( @ko_cchi ) です。 本記事は、以下の記事の後編になります。

【研修編】願いドリブンで新卒の成長環境を考え続けている話

最近、新卒採用していて私がよく聞かれる質問があります。

  • 「配属ってどうやっているんですか?」
  • 「配属後って、新卒はどのように業務に入っていくんですか?」

本記事では、その質問の回答になるように、かつ、その裏にある願いも添えてお伝えしていきます!

第0章 特徴と前提のおさらい

まずは、DeNAの特徴をおさらいしましょう。

  • 事業会社であり、事業間の異動も活発
  • 向き合う事業の性質・規模・フェーズによって、技術スタックの考え方・組織の在り方は異なる
  • 業界の流れを先読みし、事業をスピーディーに変革させるが故、扱う技術がスピーディーに進化していく

こんな特徴があるので、基本的に、DeNA の新卒採用では採用時にポジションを確約することが難しいです。 3月まであった部署が、4月には存在しないなんてことも全然ありえるためです。
※ 一部例外はあります。

よって、入社してから配属することになります。 刻一刻と状況が変化する中、リアルタイムで部門の情報を吸い上げて配属を検討するのは、かなり難易度が高いです。

第1章 エンジニアボード

そんな前提の中、部署間の連携を図るためエンジニアボードという機関が存在します。
CTOおよび各本部の技術責任者を中心とした、全社にわたる技術系の全社に渡る課題解決を行う会議体です。 alt
エンジニアボードのミッションは、

  • 本部間の情報共有(部署の独立した村化の解消)
  • 全社課題として取り組むべきとなった事案についての議論・検討
    • 全社課題として発生したものが中心

というものになります。
今回はエンジニアボードと密に連携しながら検討していきましたので、こちらもご紹介させていただきました。

第2章 配属ポリシー

新卒配属を考えるチーム (私もメンバー) が決めた配属ポリシーは

『 その人が一番成長する環境に配属する』

というものです。 もともと DeNA には以下の考え方が根付いています。

  • 仕事でこそ人は育つ
  • 「この人にお願いしたら50%くらいで成功するかな?」というレベルの仕事を任せ続ける

南場会長も度々発信しているこの考え方は、自分も割と好きだし大切にしていきたい言葉です。
人に関しての DeNA の大事な文化の一つかなと思います。

という文化なので、要するに、
新卒は配属後、ギリギリ達成できるか?という目標に向かって、失敗しながら学び、先輩社員に助けられつつも、その中で自己研鑽して足りない能力を補完しつつ、前に進み続けなければいけません。

このギリギリ達成できるか?というのが肝です。

RPGで例えると、
Lv1 の主人公がいきなり魔王の城に放り込まれたら。。。。
そしてセーブポイントは魔王の城の中、蘇っても蘇っても全滅、そんな状況だったら。。。。

いつまでもその主人公のレベルは1のままです。私がプレイヤーなら速攻で離脱するでしょう。
もし、ホントにその配置にするなら、最高級の装備と超絶頼れる仲間達が必要でしょう。それでやっと、ギリギリ経験値を取得できる状況を作れるかもしれません。
その人のレベルに合わせた、配置・装備・フォロー体制が必要条件です。

ギリギリという状況の中、その人がどういう状態であれば達成の確率は上がるでしょうか?

今度は旅に例えてみましょう。
「アメリカを自転車で横断してみたいなぁ」と言っている人に対して
「インドで瞑想なんてどうだろうか?」と提案して無理矢理向かわせても楽しめない可能性が高いでしょう。

「目的地がとにかく大事!」 という人もいれば、
「目的地はどこでも良いから、とにかく未知の体験がしたいんだ!」という人もいるかもしれません。

目的にワクワクし、その道のりを楽しめる度合いが強ければ強いほど、意欲的に・前のめりに取り組みます。結果、成果も出るし、振り返った時点での成長実感も強くなります。誰かに無理矢理連れて行かれた旅は、もしかしたらそれなりに楽しめるかもしれませんが、実りは少ないと思います。

まとめると、

  • ギリギリの状況を作るには、難易度のチューニングが必要
  • その状況にいることの納得感は、その後のコミットメントに影響する

となります。 他にも、直近の事業の優先度とかいろいろありますが、大上段で「その人が一番成長する環境に配属」という願いがポリシーになっております。これをブラさずに推進するのはなかなか骨が折れます。正直激ムズです。

第3章 配属条件と3つの納得感

その願いを実現するにあたり、配属時点では以下の条件を達成しないとなと考えました。

① 新卒が、配属に深く納得している
② 配属先のメンバーが、配属に深く納得している
③ 会社として、責任を持てる意思決定になっている

まず、① の「新卒が、配属に深く納得している」状況はどうしましょうか。

① 新卒の納得感

まず、配属を決める人に不信感を抱いていたら納得できなさそうですね。信頼関係の構築はまずはじめに着手するところでした。入社前の面談時に自己開示をし、どんなことを大事にしているかを説明しました。
信頼に足る人物で在れたかのか、それは私自身では測れないところですが、できるかぎりそうなろうと、言えることは極力ぶっちゃけて話していました。
「HRの人」ではなく、一個人として接してもらえる様に振る舞いました。

入社前、入社直後、研修中と複数回面談をやっていく中で、その人が目指したい方向性、在り方を探っていきます。
最初の時点で割と明確に「〇〇の部署で△△を□□としてしたい!」という人もいたりはします。ですが、約3ヶ月の研修の中で、ガラッと変わる人は少なくありません。
大半の人が、研修での同期との関わり合いの中で初めて、自分の価値観・固定観念・性質が見えてきます。価値観・固定観念の変容が起こる人もいます。
配属前、常に意識していたのは、本人達にどうなりたいか、どう在りたいのか、なぜか?というのを手を変え品を変え、言語化してもらうことでした。 自分自身、言語化できないものに対して、いくらこちらがそれを説明しても納得感には繋がらないからです。 研修中に、1人の新卒に対して 2人メンターをつけましたが、聞き手が変わることで、別角度で言語化する機会を作るのにも効果的でした。

最終的にアンケートによって、新卒view とメンター view での情報を収集し、それを使って面談しました。
収集した情報は以下のようなものです。

  1. 今気になっている事業・部門
  2. 設問1 の理由
  3. 直近経験したいもの
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  4. 設問3の背景と優先順
  5. 直近経験したいポジション (2つまで)
    alt
  6. 設問5の理由
  7. 自分が在りたい姿、乗り越えたい壁
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配属確定後は、一人一人面談し、なぜその配属部署なのか、どんな期待を持っているのかというのを全員と話していきました。 その時、配属部署に納得いかないという人は 0 でした。話している所感ではありますが、かなり高い納得度を実現できたと思います。

② 配属先のメンバーの納得感

チームのことを知らないとお話になりません。ですが前提で話した通り、多種多様なチームがある中、全てのチームの状況を把握していくのはかなりの手間がかかります。 最初、これを全て自分でヒアリングをしようと思いましたが、圧倒的に手が足らなくて断念しました。ここからエンジニアボードと協力して、各部署に Job Description を用意してもらうことにしました。 要素としては、以下のようなものです。

  • 職務要約
  • 職務定義
    • ポジション
    • 職務
    • 開発環境・ツール
    • 期待役割・裁量
  • 育成計画
    • メンター
    • チームの特徴・雰囲気
    • 一年後の成長イメージ

新卒向けに JobDescription を書くというのは、今まで前例になかったことですが、これを書いたことによって現場も新卒をどのように迎えるのかを言語化することに繋がり、この情報ベースにコミュニケーションができるので、圧倒的に楽でした。

③ 会社としての意思決定

さて、配属先のメンバー、新卒から情報を収集しました。 それをもってどう配属を決めていくか。
今回は、以下のような体制を組みました。

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配属について推進する人たちを、配属ワーキング・グループと名付けましょう。
そのワーキング・グループのオーナーが今回は私になります。
全社視点で、どの部門にどんな人材をどのように配置するのかを調整するには、中立的な立ち位置で検討・推進することが求められます。
先程述べた通り、Job Description の策定にはエンジニアボードに責任を持ってもらいます。新卒の情報とJob Description の情報を踏まえ、配属案を作ります。それを元に、各エンジニアボードメンバーと議論し、最終的に HRが責任を持って配属を確定させます。 というように、責任と役割を割り当てて推進することで、最終的に会社の意思決定として配属が決まっていきます。 (走りながら整えましたが…w)

第4章 配属後が本番! Flowの発生確率をどう上げるか

ここまでは、全て布石です。配属されてからが本番。
ギリギリ達成できる目標に向かっている状態をもうちょっと具体化して、

「挑戦 (プレッシャー) とその人の能力 (やれること) が絶妙なバランスを保っている状態」

としましょう。これを Flow 状態と呼ぶことにします。
このFlow状態をいかに作れるかを追っていきます。最初新卒は自分でコントロールすることはできないので、メンターと並走しながらチューニングしていくことになります。

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並走するメンターには、

  • 新卒の状況を正確に把握する能力 => 傾聴
  • 客観的に新卒に状況を伝える能力 => フィードバック
  • 問によって気づきを与える力 => コーチング
  • 一歩目を示す力 => ティーチング

が求められます。総合格闘技です。これが完璧にできる人はなかなかいません。
メンターもチャレンジする前提でフォロー体制を構築する必要があります。
メンター同士を繋げて好事例を共有し合ったり、相談できる場を作るなど、メンターに対しての取り組みも現在進行系で行っています。

  • 部門・職種を超えた Win-Session ( 好事例・学びの共有 ) の実施 alt
  • 定点観測的に、メンター・メンティーへ成長実感のパルスサーベイ
  • メンターとの定期的な 1on1

などなど。
下期も新たな取組を始めていく予定です。

第5章 最後に

いかがだったでしょうか。
いろんなことをやっていますが、結局やれることは、本人が夢中になれるように場を整えること、なるべくノイズをなくす事、背中を押すことが私の出来ることです。

夢中になってやりきっていたら、また新しいチャレンジを熱望している自分がいるはず。もっと難易度が高い課題に向かうのかもしれない。起業も良いかもしれないし、なんなら総理大臣になっても良いかもしれない。その時はノイズありまくりの状況だと思いますが、チャレンジしてそれを乗り越えた経験を持っている持っていないとでは、全然違うと思っています。
全員が小さく収まらず、チャレンジしまくって欲しい。そう願いながら、今日もそれをどう作れるかを考え続けています。

おまけ

これからの新卒の活躍を楽しみにしています。 今進行中の施策に関しても、また機会があれば書かせていただければと思います。