近畿大のワクチン接種証明がテーマのハッカソンに登壇しました

by Fumitoshi Ogata | September 02, 2021
event | #education #blockchain

技術開発室の緒方です。

先日、近畿大学とIOST(INTERNET OF SERVICES FOUNDATION LTD.)が共催する”ブロックチェーン・ハッカソン HIVEHack 2021”に、企業登壇および、チームメンターとして協力、参加してきましたので、その様子についてご紹介します。

ワクチン接種のプロセス証明の簡略化がテーマ

近畿大学とIOSTが共催する2日間(8月26日-27日)に渡るハッカソンで、テーマは、ワクチン接種のプロセス証明の簡略化でした。ワクチン接種というモデルに対して、ブロックチェーンというテクノロジーがどのように貢献できるのか学生の皆さんと丸二日議論を行い、プロダクト開発を行いました。今年はコロナ禍ということもあり、すべての作業を学生や講師含め、すべてオンラインで実施しましたが、非常に充実した議論と時間を過ごすことができたと思います。

グループワークで活発に議論された相互運用性の重要性

私が担当した企業登壇では、ブロックチェーンの相互運用性について説明しました。ブロックチェーンは、”コンテナ”の発明に類似していると言われることがあります。かつて、港から港まで荷物を運ぶ際、人の手を介して荷物を運んでいましたが、途方もない積み降ろしの労力に加え、途中で、荷物が盗難に合うなどのリスクがありました。コンテナの発明により、1.同じサイズの鉄の箱を設計することで、船、列車、トラックなど様々な場面で荷物を扱えるようになったこと、2.鉄の箱に施錠することで盗難リスクが減ったことなどの事例は、ブロックチェーンにおける1.規格化や、2.セキュリティの観点で多くの共通点があります。

ワクチンの接種記録について、グループディカッションでは、ステークホルダーとなる機関や企業などの洗い出しを行いましたが、ワクチンの製造会社、行政、接種会場、病院、接種者など、非常に多くのステイクホルダーの存在が明らかになりました。また、最近ニュースになっているワクチンの不純物の混入や、打ち手の不足など様々な問題は、アプリ提供など表面上の連携だけではなく、サプライチェーンを始めもっと深い基幹システムとの連動が必要であり、データの規格、標準化の作業が重要であることがアイデアとして出ました。コンテナの発明によって貨物が運ばれるように、ワクチンもデータを規格化することにより複数のシステムでシームレスに、データの活用できる可能性があることを、参加された方自身が、気づきを得ることができたのは非常に良かったと思いました。

実際に活用されているシンガポールの事例

既にシンガポールでは、ブロックチェーンテクノロジーを使用して、COVID-19のテスト結果のデータについてグローバル標準を開発し、入国審査のスピードアップに繋げているといったニュースが報じられています。様々なステークホルダーが存在する中で、情報を相互に利用するためには、ブロックチェーンのインターオペラビリティによって、データ自体を相互利用する必要があり、そのためにはグローバル標準というような規格化が有効です。シンガポールの事例では、GovTech(シンガポール政府技術庁)とMOH(シンガポール保健省)が連携してHealthCertsという国際標準を作成したと書かれています。HealthCertsについては、すでに豊富なドキュメントが用意されており、官民パートナーシップをサポートするようにも設計されているそうです。今回参加の学生の皆さんはブロックチェーンというテクノロジーをほとんど知らない方もいらっしゃった中で、このような政府によって実現化されているアイデアそのものが飛び出したことは、非常に驚きでもあり、将来のブロックチェーン業界が楽しみになる出来事でした。

Singapore Uses Blockchain for Verification of COVID-19 Test Results

AppSeetを用いたNoCodeの取り組み

ハッカソンではAppSeetを用いたノーコードでの実装を行いました。AppSheetを用いることで、非エンジニアの方でも、ブロックチェーンのレイヤーに対してトランザクションを書き込むことが可能となります。かつて、アプリの企画フェーズで、紙を使ったボードゲームのような仕組みを利用した経験などを、私のグループでは話をしましたが、ノーコードを用いることでより誰もがアイデアを形にして、手触り感も含め、動かしてみることができるというのはモノづくりにおいて、重要な観点であると思います。また、簡単なAIを用いた、子供にモノの名前を教えるような、対話的なプログラミング手法もプログラミング基礎の話の中で、少しだけお見せしましたが、システム開発は一部の人だけのものではなく、多くの人が紙やペンを使うようにアプリケーションを作れる時代はそこまで来ているのではないかと思います。

Conclusion

AIやVRなどに比べて、ブロックチェーンは少し見た目としては地味なところがあると思います。海外のカンファレンスなどに参加した時も、Plasmaなどを経由して、トークンがアドレスからアドレスに移動したことに大歓声が起こっていました。もちろん概要を知っている人は非常に興奮するものでもありますが、見た目としては数字が移動しただけに過ぎず、若干シュールに感じてしまうところもありました。ただ、知れば知るほど情報と情報の繋がりであるとか、お金など経済価値の交換であるとか、ブロックチェーンのテクノロジーは奥深く面白いものでもあります。その一端が少しでもハッカソンを通じて、学生の皆さんに届けられたとすればそれ以上のことはありません。


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