新卒エンジニア研修で得られる一番の価値とは?

by Yuki Hirako | July 29, 2021
new-graduates | #new-graduates

こんにちは、CTO室の 平子です。
今年も、4月後半から、6月末にかけて新卒エンジニアの研修が行われました。
私が研修を担当するようになってから3年目になります。長いようで短いような。

今年もエンジニア研修自体の振り返りを行っていきます。

去年の記事はこちら。 ▷ 【研修編】願いドリブンで新卒の成長環境を考え続けている話

研修の概要

基本的には、去年を踏襲していますが今年のテーマは、
「人との繋がりを通じて、今後のエンジニアとしての礎を築く」 でした。

本研修は単なるノウハウや知識獲得を目的とするものではありません。
エンジニアは常に学習し、新しい知識を獲得し、経験を通して身につけていく必要があると考えています。今後エンジニアとして生きていく上で大事なことをこの研修では取り扱います。

  • どのように学習していけばより良いのか?
  • どのように情報を取得していくのか?
  • どう経験を振り返り、自身の糧にしていくのか?

を知り、習慣化するというのが中長期的な目線でのエンジニアとしての礎になると考えました。

詳しくやったことに関しては、 #new-graduates にて順次公開されていきますのでお楽しみに。

テーマの背景

私が担当するようになってから、研修を設計する前に前年度受講していた新卒メンバーと共に振り返りを行いテーマ・やることを決めています。

よって今回 20卒のメンバーと来季のテーマ決めを行いました。
時期的には20卒の新卒メンバーは配属後約4ヶ月程のタイミングです。対話していきながら約一ヶ月ぐらいでテーマを決定しました。 20卒メンバーに研修において一番研修後に効いてきている要素はなにか?と問いかけたところ、「同期との繋がり」が大きいという声が多かったです。

研修で深く繋がれたことにより、その後実務に入ってからも相談し合ったり勉強会などを開催するなど、良い影響が続いたとのことでした。
また、研修中においても学び方や具体的なノウハウ等、同期の影響を受けていたようです。

一番大事なテーマの要素「繋がり」

すべてはペアからはじまる

デレク・シヴァーズさんの有名な「社会運動はどうやって起こすか」という動画はご存知でしょうか?

ムーブメントやイノベーションを起こすには、それを起こしたい1人目の存在ももちろん大事だが、それを最初にフォローした2人目の存在こそが重要である。

というのが内容です。 2人目の存在があるから 1人目がリーダーになる。私はこの話がかなり好きです。

ムーブメントとなると大げさのように感じますが、

  • 仕様・実装を変えたい
  • チームのルールを変えたい
  • 新しいサービスを創りたい
  • 勉強会を開催したい

というのも、最初は一人の想いから始まります。その際、それを前に進めるのは最低1人の賛同者・フォロワーが必要です。 以上の話から私は仕事の最小粒度はペア作業であると考えています。 よって、本研修ではペア以上での作業時間が大半を占めます。

ペアが連なって同期全体に広がっていく

ペア同士が連なっていくことによってネットワークがどんどん広がっていきます。

  • 「〇〇さんはこういうの得意らしいよ」
  • 「△△さんはこういうのが好きらしい」
  • 「XXさん と □□さんは話が合うんじゃない?」

ペアがお互いの伝達者になってくれます。繋がりはより強くなり広がりは加速します。

場の安心感が高まり、発起人が声を上げやすく・行動しやすくなっていきます。 あくまでも一例ですが、起こっていた事象を紹介します。

TALENTBASEリレー

TALENTBASEとは、DeNA全従業員の顔写真と名前、所属部署などの情報が載った社内向けの社員データベースです。社員の所属や名前で検索してプロフィールを閲覧できます。
プロフィールをマークダウンで記載できるのでそれを書いてシェアし合う会を開催していました。ワイワイ盛り上がっていましたね。
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分報チャンネルのシェア

弊社も slack で分報チャンネル、いわゆる times を作る文化がありますが、21卒のメンバーも times を各自作って運用していました。 新卒まとめが無いから作っちゃおう!って行動できるのカッコいいですね。
リアクションも素敵だ。。。。
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LT(Lightning Talk)会の企画

いい具合にフォロワーが手を上げていますね。ナイスですね。
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techブログ

これは私がアウトプットしたいというメンバーの背中を押すために提案したケースですが、連携が尊い。。。。
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新卒研修は、全社横断的なオンボーディング

DeNA 社内には、さまざまな技術コミュニティーが存在します。部門を超えた相談やナレッジシェア、勉強会の開催などが行われます。ここと繋がることは今後エンジニアとして成長し続けるための大きな礎になります。

もちろん、素で飛び込める人もいますが、いきなりそのコミュニティーに入っていくというのはハードルが高さは一定あるでしょう。

コネクションが広がることで、そのハードルはどんどん下がっていきます。 繋がることで、有機的で偶発的な機会が生まれやすくなります。新卒メンバーにとってだけではなく会社組織全体にとっても接合点が増えることで、連携が生まれやすくなります。

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メンターが繋がりのハブになる

今回も研修中にメンターに協力してもらうことにしましたが、 19,20卒のこれまで研修経験し共に創ってきてくれたメンバーに協力してもらいました。
研修メンターは、新卒メンバーと 1on1 や slack などで研修中の様々なサポートを行います。メンター自身が全て受け止めるのではなく、繋がりのためのハブの役割も担ってもらいました。
同じカリキュラムを受けてきた人たちがメンターなので、研修生の心境だったり視点を持って接することができたようです。 メンター自身も、 「いつも自分が 1on1 などで話を聞いてもらう立場だったので、逆の視点が持てた。自分が聞いてもらう時間に関してももっと有意義にしていけそうだ。」 という学びがあったようです。
以下は、メンター同士の win-session の様子。

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このテーマをやり抜くにあたって気をつけていたこと

ここからは自分が研修を通して気をつけていたことを紹介します。

なるべく余白を残す

これは前提ではありますが、 カリュキュラムがパンパンだと余裕はなくなり何かやりたいという気持ちが発生しにくいです。ある程度、自由度と時間的な余白を残す必要がありました。

目標・行動を型にはめない

研修の目的は何かというと、大枠としては前述した通りです。
ただ、入社時点で新卒メンバーは様々なバックグラウンドを持っています。

  • すでに実務経験ある人
  • ずっと一人で開発していた人
  • コンピューターサイエンスをガッツリ学んできたけど実際の開発経験は少ない人
  • 片やコンピューターサイエンスは学んでいないんだけど開発経験はめちゃくちゃある人

いろんな凸凹が集まった集団です。

その中で、各々違うところを課題と感じ、違ったアクションに結びついていくことは自然なことです。
一方向に持っていくことはせずに、 1人1人と対話しながら、 「どうありたいのか?」を引き出し、 「それに近づくため、今この場をどう使いたいのか?」を話していきました。それによって、やるべきことがやりたいことに変わります。 やるのに勇気が必要なものもあります。それは全力で背中を押すスタンスを心がけました。

できないことではなく、できたことに注目する

できないのは、できる理由を知らないからです。研修生たちは自分のできない理由を探しはじめます。

できている人が一人もいないものに関しては、 「これだったらうまくいくかも!」 というトライを繰り返してていく必要があります。 基本研修においては、というよりほとんどのケースでは、できている人はすでに周りにいます。 できている人がなぜできているのかを分析するほうが近道です。

その上で実際行動してもらい、やってみて、できたぞ!というものに関して、

  • 「なぜできたのか?」
  • 「つまりどういうことだろうか?」
  • 「他に活かせないか?」
  • 「踏まえて、次はなにをするか?」

という経験による学習のサイクルを回すことで成長していきます。

できなかったこと・失敗したことは頭に残りやすく、できるようになったエピソードは忘れやすいです。 なので、「できるようになったことはなにか」に注目し続けていました。

やってみてわかったこと

繋がりが強く・広くなったことによって、良い影響・行動がどんどん連鎖していきました。 もちろん、本研修の設計や自分の力ではなく研修生本人たちの資質や性質によるものも大きいと思いますが、うまく良い影響が伝播していくときは胸が高鳴りました。

もちろん、ポジティブな事象だけではなく、ネガティブな感情も広がりやすくなるので注意は必要ですが、それも溜め込まれるよりは手が打ちやすいです。 とことん対話していくことで、よりよい場を作っていたのではないかと思っています。

最後に

今年も無事研修を修了し、21人のエンジニアが旅立ちました。
自分なりの意義を見出しながら研修に前のめりに取り組んでくれた21卒のメンバーには感謝しかありません。
繋がりによって築いた礎を使って思いっきりジャンプしてくれると確信しています。
また、本研修を共に作り上げてくれた 20卒のメンバー / 19卒のメンバー、他メンターの方々も本当にありがとうございました。

そして最後まで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございます!
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